ホルムズ海峡の封鎖による原油価格の上昇は私達の生活を圧迫し、ガソリンのみならず石油製品の供給に影響を与えている。医療品も点滴のパックや注射に使用するシリンジが石油製品であり、その不足は医療行為自体が止まってしまうほど私達は石油に依存している。そしてその石油を中東に94%も依存する日本にとってホルムズ海峡の封鎖は致命的なものとなったのは記憶に新しい。かつて大東亜戦争で日本が真珠湾に向かったのも石油が止められたのが決定打となった。それだけ日本にとって石油、エネルギーというものは今も昔も国家の命運を左右するものだ。日本が台湾を大切にするのも親日国というだけでなく日本のシーレーンにとって地政学的に極めて重要な位置にあるからである。つまり国を守るというのは私達の生命、財産、土地を物理的に守るのみならず経済、生活を守るという意味もある。さらには経済力をもつということも国守りといえるのだ。例えば半導体大手のTSMC(台湾セミコンダクター)は今や世界の先端半導体の製造をほぼ担っている。iPhoneだってTSMCなくして製造できない。TSMCが台湾でなんと言われているかご存じだろうか。護国神山と言われる。まさに国を守る神といわれている。TSMCの存在が台湾を守っている。つまり国防をも担っているというわけだ。このように経済と国防は不可分の存在であるのだ。どちらがかけても国の守りは果たせない。そしてウクライナ戦争をみればわかるように純粋な軍事力というものはやはり必要だ。
戦後、自衛隊は事実上の軍隊として軍の名を用いない軍として位置付けられ憲法解釈によってその存在が認められてきた。護憲派は9条を守ることが日本が戦争をしない唯一の道だと思っている。であるならなぜ自衛隊が存在してきたのかを説明してほしい。自衛隊が間違っているのか、憲法が間違っているのか。どちらも間違っていたのか。小学生でもわかる矛盾を政治家のご都合主義でごまかしてきたのが戦後の80年であった。そして自民党高市政権は自衛隊を9条に明記するという案を持って改憲をうたう。これはただ単に現状を憲法に明記し修正していくということだ。それも9条2項、戦力不保持・交戦権否認を明記したまま。平和憲法を守りながら自衛隊も持ってと折衷案のようなものを提示している。さらなるごまかしの政治を行おうとしている。それなら日本維新の会の方がまだ誠実だろう。9条2項を削除し集団的自衛権(同盟国との本来の関係)を容認するのだから。
たしかに今の自民党は今回のようなホルムズ海峡封鎖が行われて、トランプ大統領に日本は同盟国なのだから、自衛隊をホルムズ海峡に派遣してほしいというメッセージが送られても憲法があるから出せないと断れるのだろう。しかし、それはおかしい。じゃあ憲法がなかったら出してたのかという話なのだ。そういう屁理屈をこねるのではなく、憲法があろがなかろうが道義に反しているから同盟国であったとしても協力できないというメッセージはださなければならないだろう。そしてそのような決断をすれば政権が崩壊するのだから。ルーズベルトだってチャーチルから要請されてもナチスドイツに参戦する口実がなく真珠湾を心待ちにしていたのだから。つまり民意というものがなければ戦争は引き起こせないのである。護憲派も自民党も根本的には国民を信頼していないのであろうか。
はっきりと自衛隊は日本軍にするのがよい。日本陸軍、日本海軍、日本空軍を創設し、内閣総理大臣の指揮下に置く。自衛官は軍人となり公務員とは区別される。日本軍は國體を守るとし、國體とは天皇が内閣総理大臣を任命し、内閣総理大臣は日本軍を指揮するという関係性。つまり時の政治体制はいかように変遷すれど、日本軍は天皇を元首とする国柄を守るとするのである。軍法会議も設置し、軍の士気向上を図る。また陸軍には近衛師団を創設し、首都防衛部隊、軍の精鋭として組織する。歴史的に言えば征夷大将軍は入れ替われど、そのもとの武士団は変わらない。それでは2.26事件のようなクーデターが起こった時どうするのかという議論になろうかと思う。例えば近衛師団の一部が決起し首相官邸を占拠、大臣を殺害し、戒厳令(緊急事態条項)を敷き新しい政権を打ち立てようと試みたらと。成功したら非民主的手段による政権交代となる。だが国民の信を経ずして国会議員の信なく内閣は組閣できない。天皇はそのような政権を信任しない。そもそも無理だ。そして失敗したら、当然、軍法会議にかけられるだろう。そこでは公開、弁護人あり、上告ありの裁判であり、その内情は暴露される。その意味で軍の暴走というものは制度によって最少化できる。
むしろ日本軍となることによって軍人としての名誉を与えられることが無形の価値となる。また公務員とは区別されることで実質的な待遇改善につながる。そしてなにより日本国にとって独自の外交を行うことが可能になる。まさに憲法改正ではなく創憲すればいいのだ。
日本国憲法第9条1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し。国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。2,前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権はこれを認めない。


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